市役所前で、ホッとする中華を。
京都市役所前から河原町通り沿いを北に上がって6分ほど。この辺りは、四条や祇園の辺りと比べると、観光客も目減りしてきます。
そんな場所に、近所の人たちが昔から足繁く通う、家庭的な中華料理屋さん「鳳泉(ほうせん)」があります。
私がこのお店を知ったのは、東京へ転勤してしまった後輩くん(生粋の京都人)が大絶賛していたからです。「市役所の近くにね、大好きな中華屋さんがあるんですよ。京都に帰ると、必ず行っちゃうんです・・・」そんな彼と初めて行った時に食べたのは確か・・・「蝦麺(海鮮あんかけ焼きそば)」と「鶏の唐揚げ」。はい、美味しかったのは言うまでもない。
今回は、別メニューで攻めようと決めた上、頼んでみたのがこちら!
名物の「春巻」&「炒飯」です!
春巻は食べやすいように、一口サイズに切って出してくれます。頬張ると、五目系と思われる具が入っていて、サクサクなのに歯ごたえがあってとても美味しい・・・。揚げ物なのに、いくらでもイケちゃいそうな軽さ。で、ビールに合う!!!
そして炒飯のお味は・・・これまた言うことなし!というか、正統派の炒飯ですよ。焼き豚がゴロゴロっと入って、ごはんのパラパラ炒め具合と少し香ばしい匂いも完璧!
店内は、すべてテーブル席で20〜30人ぐらいは入れそうですが、週末の夕方以降はひっきりなしにお客さんが入ってくるイメージです。
この日、私の隣の席には、一人客のおじいさんがいて、広東麺を平らげた後、ほっこりと安心しきった表情を見せ、持ち帰りに餃子を買って帰っていました。
鳳泉の店主は、惜しまれて閉店した「鳳舞」という中華料理店の最後の料理長でその味を引き継いでおられることでも有名です。
外観も内観も、ごくフツーの大衆向け中華料理屋さんなのですが、決して気取ることのないふだんの京都が垣間見える場所のひとつともいえるでしょう。人気の秘密が分かったような気がします。
古き良き純喫茶のカレー
堀川通と二条通のちょうど中間辺り。京都の人たちに永く愛されている喫茶店があります。
その名も「喫茶チロル」。
出迎えてくれるのは、元気ハツラツとした可愛いおばあちゃん。
平日はランチメニューがあるのですが、土曜のランチはカレーのみになっています。好みに合わせて、カツカレー乗せやゆで卵乗せなどにカスタマイズもできます。
喫茶店のカレーって、その店の個性が垣間見えてつい頼んでしまう気がするのは気のせいかな・・・。カレーが自分の口に合うだけで、幸せな気持ちでいっぱいになります。
今回頼んだのは、「ささみカツカレー」!
チロルのカレーのお味は・・・ほんの少しピリッとした中辛のカレーでした。辛いものが苦手という人も、この味ならば大丈夫です!味も好きだけれど、このお店の空間そのものが、まあるい安心感に包まれています。
カレーを綺麗に平らげて、名残惜しい気持ちで店を後にしたのでした。
三条商店街の絶品スイーツ
休日の午後、堀川通沿いの二条城周辺は例外なく観光客でごった返しています。
でも、一本道を入るだけで、人はすっかりまばらになり落ち着きを取り戻します。
この日も例外なく、二条城の前が観光バスの大群で埋め尽くされていたので、自転車散策中の私は、堀川通から黒門通へと避難していました。
すると、思いがけず三条商店街と交差する角っこに雰囲気のあるカフェを発見。
「Sweets&Cafe KYOTO KEIZO」
ちょうど小腹も空いていたので、入ってみることに。
メニューは食事とスイーツの両方ありましたが、
「とりあえず迷ったらコレ!」とおすすめされていた「デザートセット(1000円)」を注文。
ほどなくして、注文の品がやってきました。
「う、美しい・・・!」
一枚のシンプルなお皿の上には、3種類のデザートがちょこんと座っています。
左から「ベリーのレアチーズケーキ」「バナナのタルト」「ティラミス」
粉砂糖がフォークの型にあしらわれているのもニクい演出。
パティシエのセンスに脱帽します。
早速、実食。
3つとも全部美味しいのですが、個人的にはバナナタルトが秀逸でした。
タルト生地はしっかりとした食べ応えのあるクッキー生地で、バナナは絶妙な焼き加減で適度な柔らかさとまろやかさを併せ持っています。
プレートのお皿の中身をすべて平らげた瞬間、
「来週、この味を食べにまたこのお店に来よう!」と心に誓う自分。
実は店に入る前、一雨降られて少しどんよりとした気分になっていましたが、KEIZOさんのおいしいお菓子に救われて、店を出た後は心なしか気持ちも晴れやかになっていました。(雨も、上がっていました!)
<基本情報>
オムライスの誘惑
オムライスって、なんだか向日葵みたいだなと思います。
大きくて、黄色くて、ふんわりと構えてくれている。
大人も子供も、一気に笑顔にさせてしまう存在。
おそばの幸せ
京都に住み始めて、気がついたことがあります。
それは・・・、美味しいお蕎麦屋さんが多いこと。
しかも、昼からしっかり食べ呑みできるお店が沢山あります。
この日訪れたのは、「そば 酒 まつもと」さん。
河原町から歩いて5分程、裏寺町通(通称:裏寺)から程近いところにあります。
雑誌で京都特集が組まれると、よく見かける気がします。
いつも通る度に満席だったけれど、たまたま13時頃に到着した時に
「本日の営業は13時〜19時までの通し営業です」という張り紙。
「これは・・・、今入らずして、いつ入る?!」
ということで、おひとりさま入店。
店内はシンプル&コンパクトな作りで、カウンターが8席ほど。
寡黙なご主人が、「いらっしゃい」と静かに口を開きます。
一番奥の席に座ると、まずはビール&「鴨つくねとお豆腐」を注文。
「少々お時間頂きますけど、いいですか」と、言葉少なに声掛けしてくれます。
昼から一杯目のビールを堪能していると、15分程で料理が出てきました。
熱々の湯豆腐をはふはふ言わせつつ、柚子胡椒と一緒に鴨つくねを口に頬張ります。
「っっ!!!!!!!!!繊細な味で美味しい!」
肴を丁寧につくっているお蕎麦屋さんは、思わず通いたくなってしまいます。
締めには、もちろん冷たいお蕎麦。
麺がつるっと艶やかな光沢を放ちつつ、素朴な味で口の中が幸せに包まれます。
私はその日の1番目の客でしたが、その後もお客さんは絶えることなく、あっという間に満席になっていました。
次に予定もあったので、さくっと呑んで食べ、滞在時間はわずか30分。
それでも、まつもとさんの落ち着いた雰囲気を十分味わい尽くした休日の午後でした。
《基本データ》
京都版!超ハイスペックな品揃えなのに、入りやすいスーパーマーケット
その名は「京都 八百一本館」
四条烏丸は、京都の中心ではない?
あれは、まだ私が「ただの京都好きの人」だった頃、6年ほど前のことでしょうか。
ある人は言いました。
「四条烏丸は、京都の一等地なんだよ」
京都駅から、地下鉄で2駅というアクセスの良さ。
大手の3メガバンクが交差点の角地にドンと構え、祇園へと向かう四条通り沿いは、観光客がお金をジャラジャラと落としてくれる黄金ルート。四条烏丸は、そんなお金の匂いがプンプンする都会めいた場所です。
ただ、一生活者として、毎日のように界隈を通るようになった私から言わせてもらうと、四条烏丸が京都の中心だとは思いません。
・・・つまり、等身大の京都ではないゾ!!!
確かに、少し路地を入れば町家を生かした店舗やなどがあり、一見「京都に来た感」は感じられると思います。
かくいう私も、まだ京都に住んでいない頃は「京都っぽい」ものを見ただけで、「うわぁ、風情あるわぁ〜」と浮き足立っていました(単純)。
ただ、一度住んでみると、その感覚は一気に変わっていきました。観光客が殺到しているような場所にあるものは、どれもこれも虚構と化した観光資源の一つにすぎない・・・と。この変化、はじめは京都への「慣れ」なのかなぁと思いましたが、いやはや全くの見当違いでした。
そう、京都の別の場所に足を運ぶにつれて、そんなことはただの取り越し苦労だったとわかってくるのです。私は、京都に慣れてなんかいない。むしろ、まだ知らないことだらけだー!ってね。
「じゃあ、真の京都って一体どこだよ??」って声が聞こえてきそうですが。
それは後日また、書き連ねていくことにします。
最後に、誤解のないように補足させていただくと、観光色に染まりきった場所に関しても、「これもまた、京都の風景」と捉えている人はもちろんいると思います。そういった意見に反論するつもりは全くないです。
何事も、どう感じるかは人それぞれですしね⭐︎